2020年10月05日

期せずして「家トレの問題解決屋」の仕事始動

Posted by 竹内亜矢子

あっという間に秋ですか。今年は季節が猛スピードで駆け抜けていくようです。
私は限界までTevaサンダルで過ごすつもりです。あんな快適な履物はない。一度履いたら最後。

さて、コロナ禍でフィットネス業界の店舗経営は厳しくなっているように思います。
当スタジオも例外ではなく、6月以降はスタジオへいらっしゃるお客様が圧倒的に少なくなりました。
店を構えている以上はもっと新規顧客を獲得するために破格割引キャンペーンなどの戦略を講じるのが経営者だと思うのですが、私にはそういうの向いていないみたい。
今は与えられている仕事をひとつひとつ丁寧にこなして、そこからの流れに身を任せています。暢気が溢れ出しそうです。

そしたらなんと。
その暢気スピリットを貫いていたことで、「新たな仕事」との巡り合わせがありました。
そして今、その仕事スタイルに遣り甲斐と手応えを感じているところです。

その仕事とは、「家トレの問題解決屋」であります。

きっかけは、知人から依頼を受けたトレーニングでした。
その知人は私とほぼ同年代の女性で、彼女は運動と無縁の生活をしていました。
これから訪れるであろう更年期の症状や高齢の両親のケアに不安を感じ、今のうちから少しずつ体力をつけていきたいと。でも運動を始めるにしても何をどうしていいのかが分からず、とりあえず私に相談してみようと思い立ったようです。
ただ、昨今のコロナによる経済的事情からパーソナルトレーニングに長期的に通う余裕はないと正直に打ち明けてくれました。
その事情は痛いほどよくわかります。コロナによる経済的ダメージは各業界へじわじわ広がりを見せているところだと思います。健康や美容のために自己投資していた費用を見直さなければならない状況は私も同じですから。
そういった背景がある中で私が彼女の力になれる方法を模索した時、それは彼女が自分の力で運動を継続できる環境と導線を上手く作ってあげることだという考えに至りました。自宅で身体を動かす癖をつけるための意識付け。

まず私が彼女に提案したのは、オンラインでのセッション。
私が彼女の部屋の環境を画面を通して確認するためです。家にあるものでトレーニングツールとして使えそうな物を私が選定し、それらを使った効果的な運動方法をその場で考えます。
その場の状況によって臨機応変に対応できることは私の得意技でもあります。(時にそれはハッタリと化すことがある)

例えば、自宅の階段、壁、ソファー、クッション。
形状や高さによっても活用方法は異なりますし、その方の運動レベルによっても使い方は様々です。
家にある物品を彼女の運動レベルに合ったトレーニングツールとして代用できるように運動方法をレクチャーしてコーディネートしてあげるというのがその時に私が行った主な作業でした。

作業ポイントは、彼女の日常動作の中に組み込めて尚且つトレーニング要素のある「動き」を作って提案すること。「運動するぞ!」と意気込ませないこと。まず最初の段階では日常動作をに毛を生やす程度と捉えてもらうようエスコートすること。習得には時間はかかりますが、継続は力なり。一度習得してしまえば一生モノですから。

そうそう。彼女曰く、外出自粛期間に"とりあえず買ってみた"というダンベルや腹筋マシンが画面から顔を覗かせていたのですが、聞けば買ったままオブジェ化しているとのこと。見るたびに後ろめたい気持ちになるらしいので、私からはこう提案しました。

「おそらく永遠に使わないと思うので、手放していいと思います。本当に必要なタイミングになったらその時にまた考えましょ。」

これはまさに“運動慣れしていない人あるある”で、買って満足してしまうパターン。積読みたいなものですね。
一切手をつけない自分に嫌気が差してストレスを抱えるという悪循環。

結局のところ、大袈裟なツールは必要ないと思います。それが私の考えです。 
ただし、肉体の造形を競うボティコンテストに出場したいなどの野望をお持ちであれば話は別。その場合はそれに見合うツールを揃えるとか、ジムのマシンとプロテインを効果的に取り入れていくのは必須になると思いますが。運動と無縁だった方が運動生活を始める場合、家にあるものや日常動作でできることは山ほどあります。そのための工夫と、目まぐるしく入れ替わるフィットネストレンドに振り回されないよう、情報の取捨選択さえできれば、毎月の出費を押さえながら健康的な身体を手に入れることができると思います。

運動内容の提案やアプローチ方法は個々の身体機能や運動レベルによるので様々ですが、彼女が今回オンラインセッションを体験してみて感じたことは、「いままで自分が持っていた運動に対する概念が覆された」と。
今回のセッションでは、スクワットとか腹筋とか、そういう誰もがイメージできるような「運動」は一切取り入れませんでした。
彼女が家の階段を登る時に、臀筋も同時に鍛えられるような方法や重心のかけ方などを伝えただけです。
つまり日常動作をエクササイズに変えてしまう工夫をレクチャーしたり、上述のように彼女にとって戦力となるツールとそうではないツール(例の積読)の仕分けをしてあげるという作業がメインでした。

もちろん、それだけでは運動メニューとして十分ではありません。ただし彼女が日常的に身体を動かすことを維持できるようになるための起動ナビゲーションとコーディネーションはしっかり出来ました。
また運動方法に行き詰まったり、新しい動きを覚えたいと思った時にまたトレーニングの依頼をしてもらえればと思います。

私とのトレーニングは毎週じゃなくていい。
とりあえず「自力でできること」を身につけられるように、できる限り一回のセッションで導く。

少し話は逸れますが、スタジオ経営をしている中でどうして避けられないのが固定費の回収です。スタジオを維持するためにはお客様に定期的に通っていただかないと経営は成り立ちません。定期的にパーソナルトレーニングに通うことをライフワークとされているお客様はもちろんいらっしゃいます。しかし「お金をかけてマンツーマンで運動をする生活をこの先いつまで続ければいいんだろう・・・」と自問自答しているお客様は多いと思います。そのようなお客様は、今回コロナを機にそれまでの生活が強制的に終了すると同時にトレーニングからも離れていかれたのかなと感じています。店側としては寂しいところもありますが、お客様ご自身がご自身を解放してあげられたことに些かホッとしている部分も正直あります。また、定期的な運動指導以外のアプローチ方法もこれからは提案していくべきだと感じました。やはり運動は「無理して頑張るもの」にしてしまうと辛いだけだと思うんです。そのアプローチ方法の一つとして「家トレの問題解決屋」が一助になればいいなとも思いました。

話を戻します。
その後、その知人からの紹介で「家トレの問題解決屋」の依頼を数名いただきました。
オンラインではなく実際に私がご自宅へ伺って起動ナビゲーションとコーディネーションのお手伝いをしたケースもありました。

こんな形で新しい需要が生まれるなんて。暢気スピリットが引き寄せたご縁。とても有難い。
今は紹介制のみで動いている形ですが、今後はもっと沢山の人にご利用していただけるような形にしていけたらいいなと思います。

online.jpg
posted by LIM at 20:31| 日々の出来事